読書ホリック!

本の紹介、書評

芦沢央「火のないところに煙は」読了

芦沢央先生による「火のないところに煙は」読了。

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5つの異なる実話怪談が、やがて1つに収束されていく・・・

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「火のないところに煙は」この題名と内容がどのように繋がっていくのか?ちゃんと回収されていました!すご!

意味のない箇所はなく、緻密な物語展開。それでいて「ヤラセ感」のようなものは一切なく。「ああ、本当にこういうことがあったんだろうなぁ」と何度も思わされました。

 

もちろん実話会談なので、創作ではなく事実として受け止めて読んでいますが。実話怪談が創作めいた書き方となっていると、読み手は興醒めです。実話はあくまでも実話!

芦沢先生は実話怪談分野も第一人者になれるのではないかと思うほど、それぞれが怖いです!そして1つの流れに収束させていく手法・・・脱帽です!

 

どことなくモヤッと終わったとしても、それが実話怪談の醍醐味。創作でなく事実に基づいているのだから、むしろモヤッとした方が現実味を帯びるのです。

実話怪談という分野を意識しながら、是非読んでみて欲しい一冊でした!

 

【余談】実話怪談を執筆したことがある私

実話怪談については上述した通り、あくまでも「実話」です。語り手が「私」一人称であるならば、最後に「私」が死にオチすることは絶対に有り得ません。それをやってしまうと、語り手は誰?という話になってしまいますからね!

何を隠そう、私は実話怪談を創作めいて書いてしまった挙句、語り手である「私」が死にオチしたという迷作を書いた経験があります・・・

そしてそれをあろうことか、竹書房怪談文庫の怪談マンスリーコンテストに出してしまいました・・・!

当然それは実話とみなされることなく、没作になりました・・・あくまでも実話であり、実話ならではの怖さや終わり方を追求しないといけないので難しいですよね。

ネタをお持ちの方に取材はマスト!そこから話を少しだけ盛るぐらいはアリかもしれませんが。

実話怪談・・・奥が深い分野です。

 

【雑記】自称読書家が実践する時間の管理

この記事ははてなブログによる、

今週のお題「大人になってから克服したもの」←

に参加すべく綴った雑記です。

 

ほぼフルタイムのワーママ、自称読書家の私、時間が無いねんって話

偉そうに言うつもりはありませんが、時間がありません。読書をする為の時間。

読書は好きですが、積本の山・山・山。流れるように日々を過ごしていると、読書すら私の生活から排除されている瞬間も多々あります・・・

いやしかし。本は読みたいんだ。何なら書評もブログに貯めたいんだ!

これだけやりたいことがハッキリしているならば、やれば良いじゃないか。私よ。

時間とは作るもの。お金は稼がないと無いけど、時間は皆平等。隙間時間の動画やSNSチェックはやめて、読書の海へと航海に出たら良いではないか!

時間の管理などと偉そうに言ってみたが、要するにスマホよりも本に触ること。

これが大人になった自称読書家である私が実践するシンプルな方法。確かにSNSを眺めることも嫌いではないが、それ以上に読書が好きだ。そしてその本の良さを少しでも世間に発信したいと思う。(ならば、なぜスマホに支配されてしまうのか・・・)

大人になる前は、目の前の娯楽に時間の限り流されてしまっていた。

スマホが無かった時代はテレビ、今はスマホと、お手軽かつ一方的に流れてくる情報に支配されがちであった。別にそれが悪いこととは思わない。それをボーっと見ることでストレス発散になることだって往々にしてあったのだ。

しかし時間が溶ける!それはそれは溶ける!これが大人になって、更に家族を持った私にとっては痛手なのだ。

時間の管理の本質は、自分を管理すること。

最後にとても偉そうに言うと。

読書は「私がやりたくてやっていること」、SNSを眺めることは「私が何となくやっていること」なのだ。これを改めて活字化すると、天と地ほどの差がありそうである。

さて、ここまで自分を律するほどの雑記を綴ったのだから、この後また隙間時間で読書をしよう。(宣言)

 

 

東野圭吾「白鳥とコウモリ」上巻読了

東野圭吾先生の「白鳥とコウモリ」上巻読了。

下巻はこれから読みますが、現状続きがとても気になります!(当然か・・・

 

「白鳥とコウモリ」上巻

2021年4月初版発行。東野圭吾先生の作品です。

 

とある殺人事件の犯人が、その罪を自供。その犯人は、1984年にも愛知県にて罪を犯していました。ただ、その罪に問われることはありませんでした。なぜか?

別の人間が逮捕されてしまったからです。勿論のこと冤罪ですが、それを晴らせることなくこの人間は獄中自殺。しかしこの人間には家族が居ました。

真犯人は戸惑いながらも、当時は自供することなく日常生活を送るのですが・・・

 

なぜまた殺人という罪を犯してしまったのか?この真犯人にも同様に家族がおり、加害者家族は世間からどれほど強い風当たりを受けないといけないのかわかっているはずなのに、なぜまた加害者となってしまったのか?

本当に加害者なのか?被害者遺族も加害者家族も、同じ違和感を感じているのです。

「真犯人として今回逮捕された人物の自供に違和感がある」と・・・

 

まだ上巻しか読んでいませんから、感想を述べるには時期尚早なのですが。東野圭吾先生の作品はとにかくわかりやすいのです!

何がわかりやすいって、人物の心情描写は去ることながら、法律に明るくない人でもサクサク読めるのです。用語の説明がさりげなく、本編の邪魔をしない程度に入れられています。

 

今のところ、どのように物語が下巻に続いていくのかわかりません。が、ある二つの事件の被害者家族、加害者家族がそれぞれの状況の中で必死にもがいている点が丁寧に描写されていて、それだけでもググーっと物語に入り込んでしまいます。

 

描写、情景がそのまま頭に浮かぶ文章・・・読んでいるとそのまま私の頭の中に浮かびます。出来事、セリフなどなど全てが。読み手にそれをさせる作家さんって凄いなあと思うワケです。

 

下巻読了、今から楽しみです!